テーマに関する比較研究のための海外調査研究をイギリス女性農業者・農村を対象に企画し実施した(2014年8月)。ヨーロッパはかなり日本と異なる農業政策や家族制度、生活意識を持つため、国際比較研究の基礎データを収集し、農業政策を中心に、制度、家族のあり方、暮らし、文化に関する資料をあらかじめ収集、整理しておく必要があった。農業の先進国と位置づけられる国において、どこが共通し、異なるかを明らかにし、日本がどのようなことを学べるかを明らかにするためである。日本で実施している調査表に基づき、イギリスの女性農業者に面接インタヴューを行い、基礎的な資料を収集した。 また、2014年9月2日から5日の間にアジア農村社会学会ラオス大会が開催された。そこで”Empowerment of Female Farmers Wanting to Start a Business”の論文を口頭発表した。 アジアに関しては、韓国の資料を収集、実態を知るため、国際シンポジウム「東アジアにおけるローカルフードシステムの再編と展望」(2015年1月26日に日本大学生物資源学部)に参加した。その結果「2013年女性農業者実態調査」(韓国の農村経済研究院所属チョンウンミ主任研究員が作成資料)を得ることができ、日本語訳(日本大学生物資源科学部研究員の徐美朗さんに翻訳依頼)をし、韓国女性農業者の現状の資料を得ることができた。 以上のような現地調査と資料収集から、テーマである女性農業者のワークライフバランス(WLB)のあり方と円滑なキャリア形成の諸条件を解明するための資料収集ができた。今後、ライフコース視点も加味しながら、農業政策の視点から資料整理、分析を行う。
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