研究課題
平成26年度は,「データ同化に基づいた設計・施工・維持管理システムの構築と模型実験による有効性検証」に取り組んだ。前年度までに得られた知見に基づき,農業施設(土構造物)の設計・施工・維持管理までのライフサイクルを統合して支援できるシステムを構築した。具体的には,数値シミュレーションモデルとして,土/水連成弾塑性有限要素解析を用い,データ同化手法として,平成24年度に提案したアルゴリズムを用いた。ライフサイクルコストの計算に際しては,平成25年度に提案した環境影響も考慮したLCC,Life Cycle and Environmental Cost(LCEC)を用いて,経済性だけでなく,環境負荷も考慮しうる方法を提案した。提案システムの有効性を検証するため,まず,土構造物の設計~施工~維持管理過程の模型実験での再現を試みた。具体的には,小型の遠心模型実験を用いて,模型容器内で盛土の施工過程やセメント混合処理土やサンドドレーンなどの対策工の適用を再現した。実験中の計測はデジタルビデオカメラを用い,基礎地盤の鉛直・側方変位を計測した。再現実験の結果,盛土建設や地盤改良など,個々の問題だけを取り扱った実験であれば,意図した実験が行えるものの,設計・施工・維持管理過程までを含めた実験の実施は煩雑であり,また,実験容器が小さく,複雑な細工はできなかったため,模型実験による構造物の設計・施工・維持管理プロセスの精緻な再現は課題となった。そこで,検証用実験として,軟弱地盤上への盛土建設という単純な問題をとりあげることとした。提案手法を再現実験に適用し,提案手法により,精度よく地盤の挙動が予測できることを示した。また数値実験においては最適な設計案だけでなく最適な対策案も決定できることを確認し,提案手法の有効性について実証することができた。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
地盤と建設
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The 14th International Conference of the International Association for Computer Methods and Advances in Geomechanics
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Proceedings of the Twenty-fourth (2014) International Ocean and Polar Engineering Conference Busan
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