本研究は、東広島市の西条盆地に多くあるため池の分布と生態系の特性を明らかにする事を目的とし、水生植物の生息地としてのため池の地理的分布構造の評価と、水生植物の生息地について分析を行った。その結果、特定の数種が優占的に生育する3つのタイプの池と、多様な種が生育するタイプの池に分けられ、多様な種のタイプは、他のため池タイプに比べて明確な集中班がない分布していること、他のタイプは集中班を作っていることなどが明らかになった。また、水生植物の生育地の解析では、地理的分布構造が水生植物の存続に影響している可能性が示唆され、ため池の水生植物がメタ個体群として存続している可能性があることが明らかになった。
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