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2012 年度 実施状況報告書

近赤外分光法を用いたトマト芯腐れの非破壊検出法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24780241
研究種目

若手研究(B)

研究機関愛媛大学

研究代表者

高橋 憲子  愛媛大学, 農学部, 助教 (80533306)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード非破壊計測 / 芯腐れ / トマト
研究概要

本申請の研究では、植物工場で栽培されるトマトを対象に、近赤外光を用いた果実内部の品質評価を利用し、トマト果実の芯腐れの非破壊検出法を確立することを目的とする。
平成24年度は、近赤外分光法を用いて、収穫後の芯腐れトマト果実の非破壊検出を目的とする。実験材料には、愛媛大学農学部内に設置された知的太陽光利用型植物工場で栽培するトマト果実を対象とした。当初の計画では、ハンディNIR microPhaizir-Rxを用いて、トマト果実の波形を計測予定であったが、同様のハンディタイプで安価なフルーツセレクターの分光光度計機能を用いてトマト果実の波形計測が可能となった。そこで、フルーツセレクター(近赤外分光法)を用いて、トマト果実の波長を計測した。計測波長は、500nm~1010nmとし、サンプリングのインターバルは2nmとした。近赤外光を果実に照射すると、ある特定の波長のみが吸収され、吸光度はある物質の濃度に比例する。赤色と緑色のトマト果実で吸光度を比較した結果、550nm付近の吸光度に大きな差が見られた。これは、トマトの赤色色素であるリコピンの吸光度が550nm付近であることからトマト果実の着色の違いによるものであると考えられる。そこで、赤色のトマト果実を使用し、芯腐れトマト果実と正常なトマト果実でスペクトルを比較した。その結果、芯腐れ果実と正常果実で吸光度および波形に差はみられなかった。そこで、吸光度の2次微分を行った結果、正常果実では650nm付近にピークがあるのに対し、芯腐れ果実では、600nm付近にピークがみられた。この結果により、トマト果実の吸光度の2次微分の波形により、非破壊で芯腐れ果実の検出できる可能性が示唆された。再現性を確認するため、引き続きサンプル数を増やして実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

近赤外分光法を用いてトマト果実の波形を計測した結果、正常なトマト果実と芯腐れトマト果実で異なる波形が得られたので、芯腐れトマト果実を非破壊で検出できる可能性が示唆された。しかし、平成24年度は、芯腐れのトマト果実は、夏季の高温期に発生し、芯腐れトマトのサンプルを取得することができたが、秋季~冬季は日射量が少なかったのにもかかわらず、芯腐れトマト果実を得ることができなかった。芯腐れ果実は、蒸散流の少ないトマト個体でも発生することが報告されていることから、次年度は、トマト個体の蒸散流を調節しながら芯腐れ果実のサンプルを得る予定である。

今後の研究の推進方策

当初の計画では、ハンディNIR microPhaizir-Rxを用いて、トマト果実の波形を計測予定であったが、同様のハンディタイプで安価なフルーツセレクターの分光光度計機能を用いてトマト果実の波形計測が可能となった。
引き続き、トマト果実のスペクトルを計測し、芯腐れ果実を検出するための波形計測を行う。また、芯腐れ果実の波形から、芯腐れ果実に特有の波長を決定し、光源にその波長のフィルタを取り付け、近赤外カメラを利用して、トマト果実の画像を用いた芯腐れの検出を試みる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度と同様に、愛媛大学農学部に設置された知的太陽光利用型植物工場で実験を行う。対象の品種は桃太郎エイト、桃太郎さくら、大安吉日の3種とする。現在までの植物工場での芯腐れトマト果実の発生状況により、第一花房に多く芯腐れ果実が発生することから第一花房を対象に実験を行う。また、芯腐れは、夏の高温期、及び、日射量の少ない冬季にしばしば発生することから、夏季および冬季に実験を行う。平成24年度と同様に、果実の着色程度(成長程度)に応じたスペクトルデータを取得し、正常な果実と、芯腐れが発生した果実のスペクトルから芯腐れを検出するモデルを構築し、自動で判別するシステムを構築する。これにより、栽培中のトマトの芯腐れ果実の早期発見を目指す。

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公開日: 2014-07-24  

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