研究課題/領域番号 |
24780248
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
白石 優旗 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 研究員 (00389214)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 画像処理・画像認識 / ニューラルネットワーク / 選別装置 |
研究概要 |
本研究は、農作業従事者の軽労化、及び国産農産物のブランド化による国際競争力の強化のため、知的認識技術を応用することにより、全面画像検査による青果物等階級選別装置を開発するものである。今回開発する選別装置は、農作業従事者へのヒアリング結果に基づき、①安価(2~3件の農家で購入可能)、②コンパクトで持ち運びが容易(各農家で使用可能)、③学習機能により新規の青果物に容易に対応可能という利点を持つ。なお、当面は主要な選別対象として、画像認識の実現に困難な特徴(鏡面反射や凹凸がある)を持ち、かつ多様な選別基準(キズ、形状、色ムラ等)を有するピーマンを選定する。 平成24年度は、従来型の検査装置の搬送識別の仕組みを抜本的に見直すことにより、新規に高速度カメラを用いた搬送・撮像・識別ユニットを製作した。その際、農作業従事者へのヒアリングにより、1秒/個以上の高速搬送識別が必要であることが分かった。そのため、従来型のテグスでピーマンを擬似的に宙に浮かせる手法では安定した搬送が困難であることが実験により発覚した。したがって、高速搬出によりピーマンを宙に浮かせることにより、安定した6面画像の同時撮像を可能とする仕組みを実現した。また、感性評価手法、多量画像データのデータベース格納手法、及び多量データを用いた学習アルゴリズムについての検討も行った。本研究の実施により得られた成果については、複数の国内学会、国際会議、及び雑誌論文において発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
農作業従事者へのヒアリングにより、1秒/個以上の高速搬送識別が必要であることが分かった。それに伴い、従来型のテグスでピーマンを擬似的に宙に浮かせる手法では安定した搬送が困難であることが実験により発覚した。したがって、従来型の検査装置の搬送識別の仕組みを抜本的に見直すことにより、新規に高速度カメラを用いた搬送・撮像・識別ユニットを製作した。以上により、1秒/個以上の高速搬送識別が可能となった。 識別アルゴリズムについては、感性評価手法、多量画像データのデータベース格納手法、及び多量データを用いた学習アルゴリズムについての検討を行った。また、本研究の実施により得られた成果については、複数の国内学会、国際会議、及び雑誌論文において発表を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
赤ピーマンを対象とした基礎実験の結果、大きさ(大または小)及び5×5mmの黒キズの認識率100%の識別性能を確認できている。ただし、形状不良(歪みなど)の平均認識率は65%に留まっており、撮像環境の向上や認識アルゴリズムの改善が課題である。したがって、本年度は昨年度製作した装置の改良を行うとともに、新規検査アルゴリズムの開発及び実装を行い、評価実験により90%以上の識別性能を目指す。 具体的には、以下について実施予定である。搬送装置の改良(搬送速度、搬送角度など)、撮像環境の改良(カメラ位置/パラメータ、光源位置、偏向フィルター角度など)、検査アルゴリズムの検討(識別に使用する画像特徴量、識別アルゴリズム、識別に使用する学習器の選定など)、検査プログラムの作成と評価(識別プログラムの作成、評価実験の実施、結果の解析、及びそれに基づく改良など)。また、研究成果についての発表も行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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