研究課題/領域番号 |
24780252
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
深津 時広 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター情報利用研究領域, 主任研究員 (40355483)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | センサネットワーク / 画像処理 / 移動計測 / フィールドサーバ / 圃場モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究では、移動型センサネットワークなどにおいて取得された大量の生画像データから目的とする作物の詳細情報を取得するための画像処理手法などについて検討する。屋外環境で移動型センサネットワークが取得した生画像から有用な情報を適切に引き出すためには、画像の位置・撮影条件情報、位置が異なる画像間の関連情報、屋外撮影による環境・対象変化の情報、同じ対象を異なる時期に撮影した画像間の補正情報といった、様々な情報を抽出する必要がある。本研究ではこれまでにデータ収集を行うためのハードウェアや、画像処理などを行うためのアルゴリズム、実験を行うための管理ソフトウェアなどを準備してきた。 本年度はこれまでに開発した実験システムを利用し、実際に屋外圃場にて移動型センサネットワークを稼働させながらデータを取得することで提案システムの有効性や今後の課題点などの検討を行った。実験では移動型センサネットワーク単体だけでなく、周囲に設置されたフィールドサーバと連携した場合についても行い、フィールドサーバからの情報も利用することで先に示した取得画像の位置情報などをより精度良く求められることが確認された。またこれまでに構築した画像処理システムを利用し、取得したデータを手動ではあるが処理させることでGoogle StreetViewのように圃場内の様子を3次元表示したうえに、さらに時間軸も追加して提示するアプリケーション「Crop-Field-View」の試作も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はこれまでに開発したハードウェアやソフトウェアを用いてシステムを構築し、実際に圃場で実証実験を行って提案手法の評価を行うとともに、インターフェースや全体のアプリケーションなどを作成することを目標としており、およそ目標通りの進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では圃場実証実験を複数の条件で行う予定であったが、まずは一つの実験結果をもとに原著論文を作成し、成果を報告することとした。そのため次年度では野外実験にて明らかになった点を改善しながら様々な条件下で長期運用実験を行っていく。また本システムのためのインターフェースやアプリケーションの改良をすすめるとともに、一連の研究成果を学会発表などで示しながら研究成果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に研究成果を9/1-2にフランスで行われる国際学会で発表する予定であったが、所属する研究機関よりその費用の全額助成が受けられたため、本年度積算した海外旅費分に未使用額が生じた。また本年度の計画では実験装置や実験サイトを追加して様々な条件下で有効性評価を行う予定だったが、前年の実験結果である程度まとまったデータが得られたため計画を変更し、まずはこれまでの成果をまとめて第一報として原著論文を執筆することとしたため、その分の研究費に残額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は様々な条件下での実験を行い、その成果をシンポジウムなどで発表するとともに、第二報としての原著論文を執筆することとし、次年度使用額490,408円は次年度の研究計画遂行のために効率的に使用する。
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