研究課題
表記課題を達成するために平成25年度は、下記の研究を行なった。3. 精子形成におけるDNA 修復機構の解析Tmem48遺伝子が、減数分裂第一分裂前期において不可欠なDSBs修復過程において重要な役割を果たしているのかをDSB修復タンパク質の発現パターンそしてSUMOによるタンパク質修飾過程を免疫組織化学的に精査するため、正常個体の精巣を利用した至適条件の検討を行なった。その結果、ブアン氏固定液もしくはメタカン固定液を利用することで本研究課題を遂行することができることを明らかとした。
2: おおむね順調に進展している
これまで核膜孔は、細胞質と核内をつなぐ物質輸送路としての役割に特化していると考えられていたが、近年、その役割が物質輸送に限られず、細胞周期やDNA損傷修復などの核内ゲノムダイナミクスの制御に直接関与することが明らかにされてきている。しかし、配偶子形成や胎仔の発生における細胞周期やDNA損傷修復などの制御と核膜孔の関連性は不明なままである。本研究は、Tmem48の配偶子形成や胎仔の発生過程における細胞周期やDNA損傷修復を含む核内ゲノムダイナミクスにおける役割を組織学的、細胞学的および分子生物学的手法により明確にすることを目的とした研究計画を進めている。本件度は、精子形成過程におけるDSBs修復にTmem48が寄与しているのかを調べることを目的としたが、研究代表者が年度途中から長期間の海外出張に行くこととなったため、至適条件の検討を行なうに留まっているが、すでに1年間の延長申請が受理されていることからも帰国後に各遺伝子型について研究を実施することができると考えている。以上ことから(2)おおむね順調に進展していると自己評価した。
研究計画および研究費の使用計画を大きく変更する必要は無く、当初の使用計画に沿って研究を遂行することができる。
アメリカ合衆国のJackson研究室に出張することになり、予定していた核膜孔構成因子Tmem48の細胞分裂周期及びDNA修復における機能の解析を実施できなくなったため、未使用額が生じた。平成25年度には核膜孔構成因子Tmem48の細胞分裂周期およびDNA修復における機能を計画に沿って解析し、その結果を基に論文の執筆および海外での学会発表を計画していたが、海外出張に伴い計画の遂行が困難となった。そのため、本年度の研究計画を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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