研究課題/領域番号 |
24780285
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 栄子 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40620878)
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キーワード | IBAV / 遺伝子操作系 / 初期複製機構 |
研究概要 |
まず、IBAVを感染させたBHK細胞から精製したcore粒子を用いてin vitroで合成したcore mRNAを、BHK細胞に導入し、IBAVを作製することに成功した。また、そのウイルス産生量はcore mRNAのdouble-transfectionや、初期複製機構に必要と考えられるIBAVタンパク質を予め発現させることで、はるかに増加することから、初期複製機構がIBAVのlife cycleにも存在することが分かった。さらに、初期複製機構に関与するタンパク質で、最も初期に必要とされるタンパク質がNS2、次いでVP1、VP4である可能性を示唆する結果を得た。しかし、全体的にcore mRNAを用いたIBAV遺伝子操作系(RGシステム)によるIBAV産生効率はブルータングウイルス(BTV)やアフリカ馬疫ウイルス(AHSV)の同様のRGシステムに比べて悪いため、更なる改変が必要と考えられる。 一方、T7ベクターを用いたRGシステム構築は遅延している。前年度作製した10分節それぞれの全長cDNAクローンから、T7ベクターを作製し、in vitroで合成したssRNAを初期複製機構に必要と考えられるIBAVタンパク質を予め発現させたBHK細胞に導入したところ、細胞変性は確認されたが、ウイルス産生効率は非常に悪かった。 現在T7ベクターの再確認を行っている。 変異体作製のため、前年度に明らかにしたIBAVのVP6のVP3結合領域のうち、結合に必須であるアミノ酸を同定し、その部位に変異を入れたT7ベクターを作製した。また、BTVで明らかとなったVP6中のウイルス複製に不要な領域が、IBAV VP6にも存在している可能性を明らかにし、その候補領域を欠損させたT7ベクターも作製した。 最後にBHK-21細胞をさらにクローン化し、高いIBAV複製能、プラーク形成能を持つクローンを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
T7ベクターを用いたRGシステム構築が遅れているが、core mRNAを用いた系により、前年度の遅れは取り戻せた。しかし、本年度の進行はT7ベクターを用いたRGシステム構築の遅延や、VP1発現系構築の遅延のため遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は、まず、 効率の良いT7ベクターを用いたRGシステムの完成を目指す。をまた、VP1の精製を行い、in vitro polymerase assay系を完成させる予定である。 RGシステムが完成され次第、当初の計画通り、RGシステムを用いて、VP6変異ウイルスを作製し、その解析を行う。同時に、cis-acting elementおよびpackaging signalの探索を順次遂行する予定である。また、BAV 抗体の作製を継続する。
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