養育行動は哺乳類の繁殖に必須であり、社会経験などにより可塑的に変化する。養育行動の制御機構解明は効率的な繁殖、子世代の育児放棄や不安行動・攻撃性の増加といった問題の解決において重要である。脳の内側視索前野の一部にある、養育に必須と考えられている部位におけるアミリンと呼ばれる摂食関連ペプチド機能についての知見を得ることを目的として研究を行った。アミリンは生殖周期に応じた発現変動があると共に、同居個体の有無といった社会環境に応じて発現が変動した。また、アミリンの投与によってマウスの摂食行動や攻撃行動に変化が見られた一方で養育行動には変化は見られなかった。
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