メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、人および動物の感染症の起因菌となり、時には致死的な病態を引き起こす薬剤耐性菌として脅威である。MRSA誕生のメカニズムを明らかにすることは、MRSAの新たな発現の抑制に繋がる可能性がある。本研究では、メチシリン耐性遺伝子の起源およびそのホモログを保有している動物由来ブドウ球菌に着目し、それらのゲノムの全塩基配列を決定することによりMRSA誕生について考察した。研究の結果、動物由来ブドウ球菌の染色体上でMRSAの決定因子が構成され、黄色ブドウ球菌へ水平伝播されることが示唆された。
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