研究課題/領域番号 |
24780320
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
頼 泰樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30503099)
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キーワード | 土壌有機物 / 土壌DNA / 土壌RNA / 腐植 / 安定同位体標識 |
研究概要 |
火山灰土壌、沖積土壌に有機物として大豆の収穫残渣と稲わらをそれぞれ添加、培養し、経時的に土壌のサンプリングを行い、有機物の分解過程を追跡している。 有機物の腐植化は土壌に添加した有機物の分解物から新たな腐植分子が生成されるわけではないと考えられている。微生物分解により生じた低分子の腐植の前駆体が土壌の腐植分子にさらに重合し分子が大きくなり腐植化が進んでいくと想定される。そこで従来土壌に存在している腐植分子と新しく添加したものを区別するために安定同位体で標識した植物の作成に取り組んだ。安定同位体標識植物試料作製用のガス置換用チャンバーを制作し、13CO2を常時供給し、同時に窒素についても15Nで標識するために15N-尿素(もしくは硝酸カリウム)を与えて、13Cおよび15Nで高濃度標識した植物試料の作成を目指した。しかし、当初もしいたマメ科植物では高い標識率の植物体を作成することがチャンバーの漏れや種子滅菌しているにもかかわらず窒素の標識率が50%未満と低く、アブラナ科植物に切り替え、またチャンバーの気密性の向上などにより両元素ともに75%以上の標識率を達成することができている。この13C標識植物を土壌に添加することで新たに添加した有機物から腐植分子に重合した腐植の前駆体が13Cで標識されることになるため、その同定と挙動について分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土壌に添加する安定同位体標識植物の作成がおおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
作成した安定同位体元素標識植物を有機物源として用いて土壌中での有機物分解過程を解析することで不明だった腐植化の過程を明らかにすることが期待できる。
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