前年度に作成した13Cおよび15Nで標識した小松菜の乾燥粉砕物を有機物源として土壌に施用して有機物分解を追跡した。 低分子のアミノ酸、有機酸を有機物分解の指標としてまず検出を行ったが、安定同位体による標識率75%では添加した有機物の分解過程において代謝物を従来土壌に存在する有機物分解と識別して追跡することは困難であった。 そこで、標識植物を栽培する閉鎖系チャンバーの気密性をあげるようにさらに改良を加えた結果90%前後の標識率の植物を作成できるようになった。 この植物を同様に有機物源として土壌に施用したが、炭素、窒素ともに有機酸、アミノ酸程度(炭素数1から5程度)までであれば追跡可能であるという結果が得られた。しかし、腐植化するようなある程度高分子については標識率をもっと上げないと追跡が困難であることも同時に示唆された。
|