火山灰土壌がもつ腐植集積機能の解明と利用技術の開発を目指して実験を行った。年平均気温が高い温帯では、土壌微生物の活性が高く植物バイオマスを土壌に還元してもほとんど分解されるが、火山灰土壌では有機物が腐植化し、集積する。我々は難抽出性であったアロフェン質黒ボク土からの土壌DNA,RNA抽出法に改良を加えた。また、13Cおよび15Nで高標識した植物をチャンバー内で作成し、火山灰土壌中の有機物分解過程をLC/MSでアミノ酸、有機酸などを追跡した。90%の標識率でも炭素数1から5程度の化合物の識別が限界であり、より高濃度での標識が腐植化過程の解析には必要であることが示唆された。
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