研究概要 |
複素環化合物は医薬品や農薬、または機能性材料として広く利用される化合物であり、その中でオキセタン構造は、医薬品の薬物動態の向上などが報告されている有用な骨格である。我々は、これまでにルイス酸存在下、ヒドロキシエステルのMOM保護体とトリメチルホスファイトから得られるO,P-アセタールを鍵中間体として、4員環化合物であるオキセタン‐3‐オンやアゼチジン‐3‐オンならびに天然物中にみられる5員環化合物であるオキソラン-3-オンやピロリジン‐3‐オン誘導体の効率的な合成法の開発に成功した。さらに環構築後に残存するリン原子を活用したHorner-Wadsworth-Emmons反応によるさらなる変換により、様々な置換基を有する多様な誘導体の簡便合成に成功し、天然物の簡便合成法へと応用することができた。最終年度は本研究をさらに推進し、6員環複素環の合成に成功するとともに、多様な生理活性を有する糖誘導体合成に本法が応用可能であることを明らかにした。
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