研究課題/領域番号 |
24790024
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
齊藤 亜紀夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10339103)
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キーワード | 複素環 / 金触媒 / 超原子価ヨウ素 / アルキン / ニトリル / イミダゾール / イソクロマン / オキサゾール |
研究概要 |
医・農薬などの有用物質に含まれている複素環化合物の簡便かつ迅速な合成法を指向して、申請者は昨年度に引き続き、遷移金属触媒や超原子価ヨウ素試薬などの活性化を利用した新規カスケード反応について検討した。今年度は下記に示す反応開発に取り組んだ。 1. アルキン類とニトリル化合物との酸化的カップリング反応によるイミダゾール合成:BF3-MeCN存在下、含窒素三価ヨウ素試薬を用いることにより、種々のアルキン化合物とアセトニトリルから1段階で2,4-二置換あるいは2,4,5-三置換イミダゾールが好収率かつ完全な位置選択性で得られることを見出した。今後、他のニトリル化合物との反応にも有効な反応系について検討し、基質一般性の広いイミダゾール合成法の確立を目指す。 2. o-アルキニルベンジルアルコール誘導体からの多環性エーテル化合物の合成:昨年度の検討結果から見出した金(I)触媒を用いて、MOM基によって保護されたo-アルキニルベンジルアルコール誘導体と種々の求核種との反応について検討したところ、電子豊富なフェノール誘導体から対応する四環性イソクロマンが収率よく得られることが明らかとなった。今後、四環性イソクロマン生成機構について詳細に解析を行う。 3. プロパルギルアミド誘導体の環化―フッ素化反応:生理活性物質にフッ素原子を導入することにより、生理活性作用や代謝安定性などで優れた特性を発現することから、複素環骨格とフッ素導入が一度に行える環化―フッ素化反応について検討した。その結果、三価ヨウ素試薬とHF-ピリジンを用いることにより、プロパルギルアミド誘導体から含フッ素オキサゾールが一段階で得られることが明らかとなった。今後、本反応の一般性を明らかするとともに、本生成物の生成機構の解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は所属の異動や研究室の立ち上げ等があり、研究の進行がやや遅れていたが、今年度から当研究室に大学院生が配属されたこともあり、平成24年度で残していた研究計画に加え、平成25年度の研究にも着手することができた。昨年度・今年度の検討結果から新たな知見を見出しており、本研究課題の拡大が望めると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績で掲げた「1. アルキン類とニトリル化合物との酸化的カップリング反応によるイミダゾール合成」及び、「2. o-アルキニルベンジルアルコール誘導体からの多環性エーテル化合物の合成」、「3. プロパルギルアミド誘導体の環化―フッ素化反応(申請書で掲げた平成25年度以降の研究テーマ「1.ヨードカルベノイド中間体を利用するカスケード反応」の一部)が開発目前であるため、H26年度中にこれらの研究の完了を目指す。また、これらの研究と平行して、申請書で掲げた平成25年度以降の研究テーマ「2. 不飽和アミン類の異性化反応を利用するカスケード型環化反応」及び「3.へテロエンインメタセシス反応を経由する多成分縮合型複素環合成」の開発にも着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究に携わる人員が増えたことから、普段以上に消耗品の節約(普段廃棄するような使用済み有機溶媒の再利用など)を行い、残金53345円が生じる結果となった。 H26年度では、H25年度の残金とH26年度の交付金を合算して、合成試薬やガラス器具等の消耗品に使用することを予定している。
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