平成26年度は、昨年度作成に成功した高輝度蛍光粒子への選択的結合タグを一か所のみ持つリコンビナントVEGF、PDGFを作成し、その生理活性を確かめる実験を行った。VEGF受容体発現血管内皮細胞やPDGF受容体発現壁細胞の培養細胞株を用い、作成したタンパク質が培養細胞の増殖能、移動能に与える影響を定量した。その結果、結合タグを持たないリコンビナントVEGFもしくはPDGFと同等に細胞増殖、移動能促進効果を持つ事が証明できた。 更に、作成したリコンビナントVEGFないしPDGFと量子ドットを結合させ、各血管新生因子受容体無発現・低発現・高発現細胞株に投与した。その結果、後者になればなるほど一細胞当たりの蛍光強度が高い事が定量評価できた。これらの蛍光は、VEGFあるいはPDGF抗体を使用する事で有意に低下する事も証明できた。 さらに今年度は、VEGFR受容体遺伝子を封入したウイルス粒子を作成し、それを投与した虚血モデルマウスにVEGF-量子ドット複合体ないし、PDGF-量子ドット複合体を投与して、血管新生の場をin vivo imagingする予定であった。しかし、ウイルス粒子作成にことの他難渋し、思うような結果が得られなかった。 次年度以降、研究を継続し、課題をクリアしていく事を目指している。
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