ヒトガレクチン1(hGal-1)は生体内でダイマーとして存在し、膜糖タンパク質や膜糖脂質への結合を介して細胞接着に関与する。本研究では糖脂質ガングリオシドGM1と中性脂質POPCを用いたリポソームを作成し、hGal-1に含まれるTrp68の蛍光波長を解析することで結合の解析を行った。水溶性糖鎖ラクトースに対する結合定数が3 mM-1程度であったことに対し、脂質膜上のGM1への結合定数、ならびにダイマーに2ヶ所含まれる糖結合サイトの協同性がラクトースの場合と大きく異なることを見いだした。脂質膜上の糖鎖と水溶性糖鎖では結合特性が異なることを示唆する結果を得た。
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