メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)は、ほとんどすべてのβ-ラクタム剤を分解する酵素である。あるMBL酵素が赤紫色になっていることを見出し、この原因が有色金属イオンの結合ではなく有色化合物の結合であると考えた。そこで、MBL酵素から有色化合物を分離して、有色化合物の構造と結合様式を調べることにした。MBL酵素に結合した有色化合物は、MBL酵素を変性させる(構造を崩す)ことで遊離すると考えた。この実験で、有色化合物は分解されやすいことが分かった。 今後は、質量分析によって有色化合物の分子量などの構造情報を入手することで、有色化合物の構造と結合状態を調べる予定である。
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