HIV感染を阻害し耐性株にも有効とされる放線菌が産生する新しいタンパク質(アクチノヒビン:AH)を発見し、感染予防薬開発のための構造学的研究を行った。AHの結晶化に成功し構造解析の結果、AHは3つの領域からなる環状の構造を形成し、その3つの領域はそれぞれ糖鎖と強く結合することが分かった。HIV表面を覆う糖タンパク質(gp120)から突き出た高マンノースの先端部位にある二糖体(Man2)および三糖体(Man3)、高マンノース糖鎖のMan9およびgp120とAHとの複合体の結晶化を行い、各種糖鎖(Man2、Man3)との複合体の構造解析から、AH単体と同様に3つの糖の存在を確認することができた。
|