研究課題
【具体的内容】Src型チロシンキナーゼ(SFK)によるDNA損傷チェックポイントリカバリー制御機構の解析のために、以下の項目を行った。(1)チェックポイントリカバリーにおけるSFKによるATM-Chk2経路制御について解析を行った。G2期DNA損傷チェックポイントリカバリーの過程で、ATM依存的Chk2およびKap1のリン酸化がSFK阻害によって亢進した。SFK阻害によるATM-Chk2活性亢進は、G2期損傷チェックポイント活性化の際にも観察された。またG2期に加えて非同調培養時においても観察された。(2)SFKによるChk1翻訳後修飾の制御の解析のために、v-SrcによるATR-Chk1経路制御について解析を行った。v-SrcがATR依存的Rad17およびChk1のリン酸化を抑制することを見出した。またこの分子機構として、v-SrcがRad17複合体とRad9複合体の相互作用を阻害することを見出した。(3)SFKによるKap1制御について解析を行った。Kap1がSFKによってチロシンリン酸化を受けることを見出した。またこのチロシンリン酸化はKap1のY449, Y458, Y517において誘導されることを見出した。さらにこのチロシンリン酸化によってDNA損傷応答後のATM依存的KAPのリン酸化が促進されることを見出した。この成果は誌上発表した。【意義】以上の解析からSFKがATR-Chk1経路およびATM-Chk2経路の制御を担っていることが示された。【重要性】化学療法の治療効果に関わるDNA損傷チェックポントの活性を人為的に操作する手段として、SFK阻害剤が有効である可能性が考えられる。
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