動脈硬化症の発症と進展に関与することが知られている酸化LDLの特徴を明らかにするために、循環血中のLDL画分から酸化LDLを回収するための方法を構築した。陰イオン交換カラムによる分離と抗酸化ホスファチジルコリン抗体によるアフィニティ抽出を組み合わせることにより、酸化リン脂質に富む酸化LDLの効率的な分離に成功した。また様々な酸化を受けたコレステロール類やリン脂質分子種の存在が明らかとなり、銅酸化LDLとは異なった脂質組成が示された。生体内におけるLDL酸化では、他の脂質分子種へのリモデリングなどダイナミックな変化を受けることが示唆された。
|