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2013 年度 実績報告書

鳥類刻印付けにおける神経栄養因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24790089
研究機関帝京大学

研究代表者

青木 直哉  帝京大学, 薬学部, 助教 (50525334)

キーワード初期学習 / 記憶 / 臨界期 / BDNF / 刻印付け
研究概要

鳥類刻印付けは孵化後間もないヒナが近くで動く物体を繰り返し追従し、記憶する現象である。また、刻印付けは明確な臨界期を持ち、孵化直後から3日齢までしか獲得できない。しかし、刻印付けに関わる遺伝子機構はほとんど明らかにされてこなかった。そこで、我々はcDNAマイクロアレイ解析により刻印付け直後に最も高い発現がみられた脳由来神経栄養因子BDNFに着目した。我々はin situ hybridization法やイムノブロット法によりBDNFと刻印付けの関わりについて調べてきた。その結果、刻印付けに必要とされる大脳領域(IMHA, intermediate medial hyperpallium apicale)でBDNFの発現が刻印付けの直後に高まることを見出し、さらに、BDNF受容体TrkBやその下流のAktのリン酸化が促進されることを見出した(NeuroReport, 2011)。これはBDNF/TrkBシグナリングが刻印付けに関わっていることを示唆している。そこで、BDNFやTrkBの阻害剤K252aをIMHA領域に直接注入し、刻印付け獲得への影響を調べた。その結果、BDNFによる学習促進やK252aによる学習阻害等の注入の影響は見られなかった。これらの結果は、BDNFは刻印付けに関わるが、必須な物質ではなく他の因子に補助的に働いていることを示唆している。他に、刻印付けに関わる他の因子として、甲状腺ホルモン(T3)(Nature communications, 2012)が重要な役割をしていることが明らかにした。T3は刻印付けトレーニングを始めると同時に脳内で増加し、刻印付けの臨界期を開始させる因子となっていた。また、T3は刻印付けだけでなく、強化学習などの他の学習も促進した。これらの結果、刻印付けによるT3の上昇により、階層的なその後の学習課程が開始されることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Potential role of voltage-sensing phosphatases in regulation of cell structure through the production of PI(3,4)P2.2014

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi S, Kurokawa T, Taira I, Aoki N, Sakata S, Okamura Y, Homma KJ
    • 雑誌名

      Journal of Cell Physiology

      巻: 229 ページ: 422-433

    • DOI

      10.1002/jcp.24463

    • 査読あり
  • [学会発表] 鳥類刻印付け感受性期の開始を決定するメモリープライミング

    • 著者名/発表者名
      山口真二、青木直哉、北島孝明、松島俊也、本間光一
    • 学会等名
      Neuro 2013
    • 発表場所
      国立京都国際会館

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公開日: 2015-05-28  

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