糖尿病時には末梢だけでなく脳内でも炎症が見られ、糖尿病性認知機能障害が生じる。本研究は、糖尿病時末梢炎症の脳内伝播機構に対するトロンビン応答性脳ペリサイトの関与について明らかにすることを目的とした。高脂肪食負荷により作成した肥満・耐糖能異常モデルマウスの脳内でトロンビン量の増加が見られた。また、脳ペリサイトはトロンビンに反応して、血液脳関門の透過性を亢進すること、matrix metalloproteinase-9を産生・放出することが明らかとなった。これらの結果は、糖尿病時の脳内炎症形成過程にトロンビン応答性脳ペリサイトが重要な働きを持つことを示唆する。
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