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2013 年度 実績報告書

Pr55Gagの膜移行を阻害する抗エイズ薬

研究課題

研究課題/領域番号 24790124
研究機関熊本保健科学大学

研究代表者

安楽 健作  熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (80389543)

キーワードHIV-1 / Pr55Gag / リン脂質 / PI(4,5)P2 / ジアシルグリセロール / イノシトールリン酸 / BIACORE
研究概要

HIV-1のもつタンパク質Pr55Gagは、ミリストイル化を受けた後、細胞膜リン脂質であるホスファチジルイノシトール4,5-2リン酸{PI(4,5)P2}を介して宿主の細胞膜に結合する。Pr55Gagの膜移行によりHIV-1ウイルスの粒子形成が開始される。この結合を阻害する化合物を開発することが本研究の目的である。
研究代表者は、Pr55Gagの細胞膜結合部位であるMA蛋白質に対して、高リン酸化化合物であるイノシトール6リン酸(IP6)が、ジアシルグリセロール部位をもたなくても水溶性アナログであるDi-C8-PI(4,5)P2に匹敵する結合能をもつことを示した。さらにIP6部位に種々修飾を入れたジアシルグリセロール部位を、リン酸ジエステル結合を介して導入したPI(2,3,4,5,6)P5リン酸アナログを合成し、MA蛋白質との結合活性をBIACOREにて評価した。PI(2,3,4,5,6)P5リン酸アナログは生体内に存在し得ない人工化合物である。
平成25年度は、PI(2,3,4,5,6)P5アナログをさらに合成し、アナログ群とMA蛋白質との構造活性相関を行った。
種々合成した化合物の中で、ジアシルグリセロール体であるDi-C7-PI(2,3,4,5,6)P5とMAとの結合においてKd=0.25μMが得られ、Di-C8-PI(4,5)P2 (Kd=16.9 μM)よりも約70倍、またIP6 (Kd=25.7 μM)よりも約100倍強く結合した。構造活性相関より、1)イノシトール6リン酸を持つこと、2)グリセロール部位をイノシトールの1位に導入すること、3)モノアシル体よりもジアシルグリセロール体であること、4)アルキル体よりもアシル体であることがMA蛋白質との結合に重要であることが示された。
本研究は新規抗HIV薬創製の基礎になりうると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 偽痛風診断への応用を目的としたピロリン酸カルシウム測定の基礎的検討2014

    • 著者名/発表者名
      福永佳緒莉,上田翔平,菊池亮,大川原正,安楽健作
    • 雑誌名

      保健科学研究誌

      巻: 11 ページ: 9-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Facile synthesis of 2-phenylquinoline-4-carboxamide derivatives with variant structural features2014

    • 著者名/発表者名
      Rafiqul Islam, Md. Imran Hossain, Yoshinari Okamoto, Tomohisa Nagamatsu, Kensaku Anraku, and Tadashi Okawara
    • 雑誌名

      HETROCYCLES

      巻: 99 ページ: 693-708

    • 査読あり
  • [学会発表] HIV-1 Gagのイノシトールリン脂質結合部位を標的とした膜移行阻害剤の合成2014

    • 著者名/発表者名
      立石大,安楽健作,古賀涼子,岡本良成,藤田美歌子,大塚雅巳
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] HIV-1放出抑制剤を目指したイノシトールリン脂質誘導体の合成と評価2013

    • 著者名/発表者名
      立石大,安楽健作,古賀涼子,岡本良成,藤田美歌子,大塚雅巳
    • 学会等名
      第31回メディシナルケミストリーシンポジウム
    • 発表場所
      アステールプラザ(広島)
    • 年月日
      20131120-20131122
  • [学会発表] Inositol phosphates in calcium signaling and HIV replication: design, synthesis and functional analysis2013

    • 著者名/発表者名
      Kensaku Anraku, Hiroshi tateishi, Mikako Fujita, Takashi Morii, Yasuo Mori, Yoshinari Okamoto, Masami Otsuka
    • 学会等名
      DPhG Annual Meeting
    • 発表場所
      Albert-Ludwigs-University Freiburg (Germany)
    • 年月日
      20131009-20131011
  • [図書] Inositol: Synthesis, Functions, and Clinical Implications2013

    • 著者名/発表者名
      Kensaku Anraku, Mikako Fujita, Takashi Morii, Yasuo Mori, Yoshinari Okamoto, masami Otsuka
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      Nova Science Publishers
  • [図書] メディカルサイエンス・臨床化学検査学・病態生化学の視点から2013

    • 著者名/発表者名
      杉内博幸,安楽健作
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      近代出版

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公開日: 2015-05-28  

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