研究課題
ベトナムにて採集されたCulex tritaeniorhynchus Giles (Diptera: Culicidae)に対し、網羅的にRNAウイルスを同定する方法であるRapid determination of RNA viral Sequence法を適用し、新しい昆虫ウイルスを単離した。RNA依存性RNA合成酵素による解析は、このウイルスが、ニドウイルス目の新しい科であるMesoniviridaeに分類されることを示した。そして、Dak Nong Virus(DKNV)と名付けられた。DKNVの3’ poly (A) tailを除いたゲノムの長さは20256bpであり、少なくとも7個のORFを持っていた。そのうち、ORF2aは、スパイク糖タンパク質をコードすることが予想された。ORF2aのN末端配列解析は、タンパク質前駆体に2つの翻訳後切断部位が存在することを明らにした。これら解析から、DKNVは、最近蚊より単離されたCavallyウイルスやNam Dinhウイルスと一致する多くの特徴を持つことが示された。そして、この3つのウイルスは、同じAlphamesonivirus1にグループされることが予想された。一方、DKNV は、Culex属の蚊由来の培養細胞(NIID-CTR)だけでなく、Aedes属の蚊由来の培養細胞(C6/36、 NIAS-AeAl-2)においても増殖した。しかし、脊椎動物由来の培養細胞(Veroなど)において増殖は確認されなかった。
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Archives of Virology
巻: 158(11) ページ: 2273-84
10.1007/s00705-013-1741-4
http://resweb2.jhk.adm.fukuoka-u.ac.jp/FukuokaUnivHtml/info/4055/R110J.html?P=Fri May 9 13:57:28 UTC+0900 2014