可搬型近赤外分光計による各種規制薬物の現場予試験法について検討を行った。各試料の近赤外吸収スペクトルに対し数学的な前処理を行った後にライブラリ検索に供した。ライブラリ検索結果のヒットリストの「最上位の化合物に対する類似度(α)」及び「αと次位の化合物に対する類似度(β)との差(α-β)」を指標として用い、それらが閾値以上の場合にヒットリスト最上位の化合物を陽性と判定した。この方法論により、規制薬物全般のスクリーニングについては、類似化合物を正しく識別可能であった。また、ポリ袋内の覚醒剤及び錠剤型麻薬中のMDMAについては、偽陽性を起こすことなくそれぞれ検出可能であった。
|