研究課題
日本人の死因の30%を占める動脈硬化性疾患の予防および進展を阻止する上で運動および薬物療法は極めて重要である。しかしながら運動刺激は薬剤性の筋障害を増悪させ、薬物治療の継続を困難とさせることから薬剤性筋障害の回避方法の確立は急務である。そこで申請者は運動時に産生が亢進する乳酸と乳酸輸送担体(MCT)に着目し、薬剤性筋障害との関連を明らかにすることで薬剤性筋障害の回避に展開するための研究基盤の確立を目的とした。当該年度においてはまずスタチン処理によるMCT発現への影響を解析したところ、運動時に発現上昇が認められるMCT4の発現はスタチン濃度依存的に変動することを見出した。一方でMCT1発現には全く影響を与えなかった。そこで発現変動が認められたMCT4に着目し、前年度確立したMCT4ノックダウン細胞を用いてスタチンの筋障害を評価した。その結果、MCT4 をノックダウンすることによりスタチン誘導性の筋細胞生存率の低下、カスパーゼ活性の上昇は顕著に抑制された。以上の知見からスタチン誘導性の筋障害の一因にMCT4が関与していることが示唆された。
すべて 2013
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PLoS ONE.
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