研究課題/領域番号 |
24790146
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山田 和哉 群馬大学, 医学部, 医員 (90420190)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ガドリニウム / 石灰化 / 腎性全身線維症 / 細胞内シグナル |
研究概要 |
腎性全身線維症 (NSF)は、ガドリニウム(Gd)を含む造影剤の使用により、全身の皮膚線維化、石灰華を生じる疾患であり、間葉系幹細胞の関与が示唆されているが、詳細は明らかになっていない。本研究では、in vitroの実験系を用いて、Gdによる間葉系幹細胞の増殖、石灰化誘導における分泌タンパク質MFG-E8の役割を分子レベルで解明することが目的である。 まず、ガドリニウム による間葉系幹細胞 の細胞内シグナル変化の検討を行った。 我々の教室では、これまにin vitroの実験系にてGd がヒト間葉系幹細胞や線維芽細胞の増殖と石灰化を亢進させることを明らかにしている。そこで、ヒト皮下組織由来間葉系幹細胞やマウス骨髄由来間葉系幹細胞を用いて、Gd刺激による細胞内シグナル変化について検討した。その結果、Gd刺激によって、MAPKやAktのチロシンリン酸化がみられた。また、わずかながら、PDGF受容体のリン酸化もみられた。 間葉系幹細胞の骨分化における分泌タンパク質MFG-E8の役割を検討するために、MFG-E8欠損マウスと野生型マウスの骨髄より間葉系幹細胞を作成した。それらを用いて、骨分化を誘導し、比較したところ、MFG-E8欠損マウス由来間葉系幹細胞では、骨分化の抑制がみられた。これらの成果を生かして、次年度も今年度で得られた結果を元にして、 Gd による間葉系幹細胞の増殖、石灰化について、さらに詳細に検討していく 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初平成24年度内に予定したものの一部は達成できているが、全てではないため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに計画した予定より多少遅れているが、一定の成果は得られているため、今後も計画した実験を遂行していく。また、本計画は、課題を限定し、焦点を絞っているので具体的な効果があげられると予想している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究がやや遅れたため、各種抗体や試薬(PCR, Western blotなど)といった一般試薬費が当初予定より少なく、平成24年度では残額が生じたが、次年度はその残額も使用し、より多くの研究を行う予定である。
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