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2012 年度 実施状況報告書

医薬品取り違えリスクを定量的に評価するための薬名及び外観類似度指標の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24790147
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 宏樹  東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教 (80451855)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード薬名類似 / 外観類似 / 類似度指標 / リスクマネジメント
研究概要

医薬品の「名称」及び「外観」の類似は、医薬品の取り違えを誘発する重要な要因であり、医薬品の取り違えを防止し安全対策を行う上で、医薬品の類似度を定量化する適切な指標が不可欠である。
我々はこれまで、文字列の順序(連続性)を考慮した断片パターン指標をもとに、先頭及び末尾部分の一致への重みづけ、濁音・半濁音や字形の類似(半一致)を考慮した薬名類似度指標vwhtfragを構築してきた。本研究において、主観的類似度には上記類似因子の他に文字列長の差も寄与していたこと、末尾部分一致よりも先頭部分一致の寄与が大きかったことから、これらを考慮した改良型薬名類似度指標m2-vwhtfragを構築した。構築したm2-vwhtfragを用いて、実際に起こった取り違え事例を解析することにより、m2-vwhtfrag指標値が0.46以上の組み合わせでは取り違えが発生する可能性が予測されると考えられた。
一方、医薬品の外観類似度を定量的に評価する指標はこれまで報告されていない。我々は、PTPシートの外観類似には、シートの色、錠剤の色、錠剤の形、印字の色、シートのサイズといった類似因子が影響を及ぼすことを明らかにしてきた。そして、これら色やサイズといった因子を数値化し、試験で得られた主観的類似度を表現するモデル式を構築した。本研究においては、一部の医薬品について外観要素(シートの色、印字の色、錠剤の色、シートのサイズ、錠剤のサイズ、デザインなど)を抽出し、モデル式を用いて類似度を算出するために必要なパラメータとしてデータベース化を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

全体としてはおおむね順調に進展している。薬名類似度指標の構築に関しては、本年度の計画はほぼ予定通り検討できた。一方、外観類似度指標の構築に関して、色の数値化に利用する機器の選定・導入に想定以上に時間を要し、それに伴い、色の数値化の検証に関する計画に若干の遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

外観類似度指標に関しては、現在のモデル式で考慮していないデザインの影響について、考慮の必要性を含めた検討を行い、指標の完成を図る。計画の遅れは僅かであり、当初計画通りに進行可能である。その後、医薬品取り違え事例を収集し、構築した改良型薬名類似度、主観的外観類似度を算出し、「医薬品の取り違え」事例を普遍的に一般化して定量的に分析することの可能性を探る。研究計画に遅れをもたらすような要因は、現時点では認められない。

次年度の研究費の使用計画

色の数値化に利用する機器の選定・導入に想定以上の時間を要し、それらの機器の導入に関わる費用が当該研究費として生じた。これら機器の導入は次年度に繰り越して行うため、当該研究費を合わせて使用する予定である。また、薬名類似度指標に関して、m2-vwhtfragは商標部分(カタカナ部分)の類似度しか評価していないが、当初計画にはなかったものの、剤形・規格部分も含めた類似性評価に関する予備的検討を行うために当該研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 新規薬名類似度指標m2-vwhtfragの構築と評価2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏樹
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2012
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20120714-20120715
  • [学会発表] PTPシートの複数部位の色の違いとサイズの違いが主観的外観類似度に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      玉木啓文
    • 学会等名
      第22回日本医療薬学会年会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県)

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公開日: 2014-07-24  

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