本研究では抗HIV薬の長期服用で起こる脂質代謝異常の発現メカニズム解明を目的とし、HIV感染症患者を対象として、診療記録をもとに背景情報や臨床検査値、使用薬等を調査し、尿検体におけるグルココルチコイド活性化酵素11β-hydroxysteroid dehydrogenase type1(11β-HSD1)の活性をLC/MS/MSで評価した。その結果、脂質異常症治療薬を併用した患者および抗HIV薬使用後に血中LDLコレステロール値が上昇した患者においては、尿中代謝産物で推測する11β-HSD1の活性が高く、抗HIV薬による脂質代謝異常には11β-HSD1が関与することが示唆された。
|