分子標的治療薬による皮膚障害の副作用バイオマーカーの探索

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 24790156
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 山本 和宏 神戸大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (30610349)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 分子標的治療薬 / 皮膚障害 / 手足症候群 / STAT3

研究概要

STAT3の活性化変動は分子標的治療薬によるヒト表皮角化細胞（HaCaT）の増殖抑制作用およびアポトーシス効果を増強させた。また、恒常的活性化体であるSTAT3Cを遺伝子導入した細胞において分子標的治療薬による細胞増殖抑制作用を減弱した。さらに、薬剤をHaCaT細胞に短時間曝露するとSTAT3の活性を低下させるが長時間曝露では亢進させることや、STAT3C導入細胞においてアポトーシス抑制因子であるbcl-2やsurvivinの発現が亢進することを考慮すると、分子標的治療薬による角化細胞への障害性においてアポトーシス抑制因子の発現変動に起因するSTAT3の活性変動が重要な因子となる可能性がある。

研究成果

• [雑誌論文] Everolimus-induced human keratinocytes toxicity is mediated by STAT3 inhibition (2013)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto K, Uda A, Mukai A, Yamashita K, Kume M, Makimoto H, Bito T, Nishigori C, Hirano T, Hirai M
  • 雑誌名: J Exp Clin Cancer Res 巻: 32 ページ: 83
  • 査読あり
• [雑誌論文] 患者のジェネリック医薬品変更希望に影響を及ぼす患者背景・重要因子の探索-ジェネリック医薬品の適切な使用促進のために- (2013)
  • 著者名/発表者名: 四宮一昭,池方康一郎,小山敏広,山本和宏,平野剛,北村佳久,平井みどり,千堂年昭
  • 雑誌名: 日本薬剤師会雑誌 巻: 65 ページ: 23-25
  • 査読あり
• [学会発表] ソラフェニブ・スニチニブによるアポトーシス制御機構を介した皮膚障害発症メカニズムの解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山本和宏,水本篤志,西村幸治,宇田篤史,中川勉,久米学,槇本博雄,尾藤利憲,錦織千佳子,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] 冬虫夏草エキスにおけるアポトーシス誘導作用の評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 七里博章,山本和宏,宇田篤史,中川勉,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] ソラフェニブによる皮膚障害のビタミンC誘導体を用いた予防・治療法のメカニズム解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小澤拓,山本和宏,久保萌子,賀来健太,水本篤志,宇田篤史,濱口常男,中川勉,尾藤利憲,錦織千佳子,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] mTOR阻害薬によるサイトカイン分泌制御を介した口内炎発症機構の解明 (2014)
  • 著者名/発表者名: 渡邉愛未,山本和宏,宇田篤史,中川勉,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] エベロリムスによるSTAT3活性化変動を介した間質性肺疾患発症機構の探索 (2014)
  • 著者名/発表者名: 老川諒,山本和宏,宇田篤史,中川勉,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] 服用後におけるゾピクロン錠(アモバン®錠)とエスゾピクロン錠(ルネスタ®錠)の苦味評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 宇田篤史,大澤史宜,山本和宏,中川勉,久米学,槇本博雄,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] MAPK-STAT3解析によるマルチキナーゼ阻害薬治療アルゴリズムの確立 (2014)
  • 著者名/発表者名: 水本篤志,山本和宏,宇田篤史,高良恒史,中山優子,中川勉,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会134年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2014-03-29
• [学会発表] タクロリムス併用腎移植維持期におけるエベロリムス初期投与量の検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山本和宏,田中健太,宇田篤史,久米学,槇本博雄,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 第23回日本医療薬学会年会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2013-09-22
• [学会発表] 分子標的治療薬による皮膚障害に対する各種ビタミンを用いた治療への応用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山本和宏,西村幸治,宇田篤史,向井啓,久米学,槇本博雄,平野剛,尾藤利憲,錦織千佳子,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会第133年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2013-03-30
• [学会発表] sunitinibによる皮膚障害バイオマーカーの検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 西村幸治,山本和宏,宇田篤史,向井啓,久米学,槇本博雄,平野剛,尾藤利憲,錦織千佳子,平井みどり
  • 学会等名: 日本薬学会第133年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2013-03-30
• [学会発表] ゾピクロン錠(アモバン錠®)とエスゾピクロン錠(ルネスタ錠®)の苦味評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宇田篤史,原口珠実,吉田都,向井啓,山本和宏,久米学,槇本博雄,平野剛,内田享弘,平井みどり
  • 学会等名: 第22回日本医療薬学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2012-10-28
• [学会発表] モルヒネ導入患者における腎機能を考慮した副作用発現頻度の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 冨田猛,山本和宏,久米学,槇本博雄,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 第6回日本緩和医療薬学会年会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2012-10-02
• [学会発表] Dimension® Xpandを用いた血清リチウム濃度の院内測定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 若松雄太,山下和彦,山本和宏,向井啓,瀬戸崇光,宇田篤史,平野剛,濱口常男,岩川精吾,太田光熙,棚橋孝雄,平井みどり
  • 学会等名: 第29回日本TDM学会学術大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2012-06-17
• [学会発表] CLIA法およびACMIA法におけるシクロスポリンA血中濃度測定法の比較 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮川典子,冨田猛,山本和宏,宇田篤史,向井啓,山下和彦,久米学,槙本博雄,平野剛,平井みどり
  • 学会等名: 第29回日本TDM学会学術大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2012-06-16
• [図書] 医薬ジャーナル2012年9月号 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山本和宏,平野剛,平井みどり
  • 総ページ数: 63-66
  • 出版者: 医薬ジャーナル社