がん化学療法に伴う悪心・嘔吐、食欲不振は、患者の訴えで最も頻度が高い副作用である。これらの発現には消化管機能を司るghrelinなどの神経内分泌ペプチドが関連していることが報告されているが、副作用を評価する定量的な指標は存在しないため、食道癌患者6名におけるがん化学療法実施後の血中神経内分泌ペプチド濃度(計5回採血)と消化器症状発現との関連性について検討した。その結果、がん化学療法実施後の血中ghrelinおよびsubstance P、motilin濃度が悪心・嘔吐および食欲不振の症状を反映するバイオマーカーとなることが明らかとなり、消化器症状対策の個別化に応用可能であることが示唆された。
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