研究概要 |
化学療法誘発性の悪心・嘔吐(CINV)は、患者にとって苦痛度が高い症状のひとつであり、QOLを低下させ治療継続の拒否や延期を招くことが危惧されている。本研究では、ABCトランスポーターの遺伝子多型と制吐効果との関連性を検討し、CINVのリスク因子を明らかにすることを目的とした。 昨年度に引き続き、グラニセトロン、デキサメタゾン、アプレピタントの3剤併用による予防的標準制吐療法を実施予定の悪性腫瘍患者から同意取得及び血液検体の集積を行い、ABCB1(1236C>T,2677G>T/A, 3435C>T)、ABCG2(34G>A, 421C>A)の遺伝子多型解析を実施した。解析した遺伝子多型のうちABCB1 1236C>T、ABCG2 421 C>Aが化学療法開始24時間以内のCINVのリスク因子となることが示唆された。
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