本研究では、微小気泡(ナノバブル)の脳血管障害の診断・治療ツールへの応用を目的に、ペプチド修飾による標的指向性、さらに治療用核酸の搭載をも可能とした超音波造影ガス封入リポソームの開発を行った。脳組織へ集積性を有するペプチドをナノバブル表面に修飾し、その修飾率や組成の最適化をすることで、核酸搭載ナノバブルへの脳組織指向性の付与に成功した。さらに、脳組織におけるペプチド特異的な造影輝度の上昇、遺伝子導入効果の向上も確認された。その導入効果は超音波照射部位に限局しており、高密度収束超音波の有用性も示唆された。本法は、疾患部位以外への影響を抑えた脳血管障害治療の有用なツールになり得るものと期待される。
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