研究課題/領域番号 |
24790174
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
青山 隆彦 日本大学, 薬学部, 助教 (70384633)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ピロール-イミダゾールポリアミド / 薬物動態 |
研究概要 |
ピロール-イミダゾールポリアミド(PIポリアミド)はN-メチルピロールと N-メチルイミダゾールから構成されている化合物である。PIポリアミドはDNAの二重らせん構造に存在するminor grooveに高い親和性を持ち、エンハンサーや転写因子結合部位のプロモーター領域をPIポリアミド結合標的とすることにより、任意の遺伝子発現を抑制する。PIポリアミドは様々な薬効薬理が報告され、遺伝子発現抑制薬としての医薬品開発が望まれている。本研究は、分子構造が異なる様々なPIポリアミドのラットにおける薬物体内動態の特徴を調べ、PIポリアミドの分子構造と薬物体内動態の相関関係および、分子構造から薬物体内動態を予測する構造-薬物体内動態相関モデルを構築する計画である。 薬物体内動態を調べるためには、生体試料中化合物濃度の測定が必須である。平成24年度は、高速液体クロマトグラフィーを用い、血液中および肝ミクロソーム中PIポリアミド濃度測定法を検討した。高速液体クロマトグラフィーによる血中濃度測定系が確立されたPIポリアミドについては、化合物の薬物動態学的特徴を表す薬物動態パラメータの一つである血漿タンパク結合率を測定した。血漿タンパク結合率は、超遠心によりタンパク結合型PIポリアミドと、遊離型PIポリアミドを分離する超遠心法により測定した。さらに物性予測ソフトウェアを用い分子構造の特徴を表す分子記述子を発生させた。発生させた分子記述子と血漿タンパク結合率の相関関係を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画時に想定していた種類のPIポリアミドを入手することができず、当初の計画に比べやや遅れている。PIポリアミドの大量合成法が未だ見出されていないため、動物実験およびin vitro代謝実験に用いるPIポリアミドの入手が困難な状況である。そのため、PIポリアミドに加え、PIポリアミドと分子構造が類似している化合物も含め体内動態を調べている。さらに、文献等により報告されている化合物の体内動態データも併せて解析し、構造-体内動態相関モデルを構築する。
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今後の研究の推進方策 |
PIポリアミドの入手が研究計画当初に比べ困難であるため、PIポリアミドに加え、ピロールまたはイミダゾールを含む分子構造の化合物も体内動態検討対象に含め構造-体内動態相関モデルを構築する。また、動物実験の迅速化・効率化のため、化合物の投与および採血に使用するカニューレ挿入処置済みラットを購入する。
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次年度の研究費の使用計画 |
PIポリアミドの入手が困難なため、当初計画していた実験計画通りに進捗せず次年度使用額が生じた。次年度使用となった研究費は、カニュレーション処置済みラットの購入、試薬の購入等、消耗品購入に使用する。
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