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2012 年度 実施状況報告書

血漿中イソプレノイド高感度定量の開発と新規抗がん剤ターゲットとしての有用性

研究課題

研究課題/領域番号 24790175
研究種目

若手研究(B)

研究機関新潟薬科大学

研究代表者

中川 沙織  新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (30410228)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードイソプレノイド / ビスホスホネート / がんバイオマーカー / LC-MS/MS
研究概要

イソプレノイドは細胞増殖に関係するタンパク質の修飾に関与しており、新しい抗がん剤のターゲットとして注目されている。ところが、これらイソプレノイドは血漿中にごく微量しか存在せず、MS測定で妨害となるリン脂質と同じリン酸基を持つため、血漿への応用は難しく、血漿中濃度は殆ど明らかにされていない。本研究では、固相抽出法でリン脂質のみを除去することで高感度測定可能なLC-MS/MS法を血液検体へ応用し、これまでに明らかにされていなかった血漿中イソプレノイド濃度を明らかにし、がんバイオマーカーとしての可能性を探る。さらに、培養細胞系を用いて抗がん剤の評価に応用し、新規抗がん剤のターゲットとして提案するものである。
本年度は、IPP、DMAPP、FPP、GPPおよびGGPPの5成分の定量法を検討した。LC-MS/MSを用いることで、IPPとDMAPPの混合物、FPP、GPPおよびGGPPが定量できた。分離できないIPPおよびDMAPPについては、ヘッドスペースGC法を用いてDMAPPのみを酸加水分解し、生成したイソプレンを定量することでDMAPPを定量した。また、LC-MS/MS法においてリン酸基を特異的に認識する固相抽出カラム (HybridSPE-Phospholipid)を用いてリン酸基を持つイソプレノイドおよび血漿中マトリックスであるリン脂質をトラップさせ、溶出液にアンモニア水を用いることで極性の高いIPPおよびDMAPPのみを溶出させる前処理法を検討した。
この前処理法を用いて細胞培養系に応用し、ヒト肝がん由来HepG2細胞にFPP合成酵素阻害薬であるビスホスホネート薬を添加すると、濃度依存的にIPPおよびDMAPPの蓄積を確認することができた。さらにFPP合成酵素阻害作用の強さについても評価でき、パミドロネート、リセドロネート、クロドロネート、エチドロネートの順であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イソプレノイド化合物の定量法は確立できたが、固相抽出剤のHybridSPETM-Phospholipidを用いた前処理においてはIPPおよびDMAPPの分離溶出のみが可能であって、FPP、GPP、GGPPの溶出はできておらず、さらなる検討が必要とされた。一方、本前処理法によるIPPおよびDMAPPの定量法は細胞培養系に応用でき、ビスホスホネート製剤の評価を行うことができ、全体的な達成度は順調といえる。

今後の研究の推進方策

確立したイソプレノイド定量法 (LC-MS/MS法およびヘッドスペースGC法) を用いて、培養細胞を用いた評価系に応用し上流のメバロン酸合成を抑えるスタチン系薬剤6種(フルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチンおよびピタバスタチン)、スクワレン合成酵素阻害作用を持つザラコジン酸およびコレステロール合成阻害作用を持つポリフェノール(特に代表的な茶由来カテキン、エピガロカテキン、柑橘由来のヘスペレチン、大豆由来のダイゼインなど)やビスホスホネート製剤の類似構造物について阻害作用を検討し、阻害の強さ、作用部位を推定する。なお、薬物あるいは食品成分のイソプレノイドに対する評価を行う前には細胞毒性等を検討し添加濃度を定める。
さらにこの定量法を用いて血漿検体への応用を試み、健常人の20~70歳の検体を測定することで年齢差、性差を比較し基準値を求める。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リン酸基を認識する固相抽出前処理法を用いたヒト血漿中イソプレノイド化合物の定量2013

    • 著者名/発表者名
      三浦 睦美、佐藤 友美、桑原 直子、中川 沙織、大和 進
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130328-20130330

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公開日: 2014-07-24  

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