中心静脈栄養(PN)を施行したラットにおいて、薬物代謝酵素の減少を伴う肝障害および小腸萎縮が観察された。このPNラットに種々の化合物を静脈内または消化管内投与し、薬物動態学的試験を行った。その結果、腎排泄型化合物では静脈内投与後において著明な変化は見られないが、消化管内投与後では消化管の透過性亢進が認められた。一方、肝代謝型化合物では、静脈内投与後において消失遅延による体内暴露増大が認められたが、消化管内投与後の腸管粘膜透過性は維持されていた。長期PNによる小腸萎縮時では、投与薬物の薬物動態学的特性および投与経路に依存した薬物動態学変動が観察され、これらの変動を加味した投与設計が望まれる。
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