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2013 年度 実績報告書

NMDA受容体を介する興奮・抑制バランス依存的なバレル神経回路形成制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 24790187
研究機関北海道大学

研究代表者

山崎 美和子  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431305)

キーワードグルタミン酸受容体 / 体性感覚
研究概要

マウス一次体性感覚野の第4層にはバレルと呼ばれるモジュール構造があり、洞毛からの情報が三叉神経主知覚核→視床VPM核経由で伝えられる。神経活動依存的なバレル形成には、NMDA型グルタミン酸受容体の働きが必須であるが、アクセルやブレーキとして働く受容体の有無は検証されていない。本研究ではまず発達期および成熟動物のバレル神経回路におけるNMDA受容体の発現解析を行なった。蛍光in situ ハイブリダイゼーションの結果、バレル皮質と中継核において、興奮性ニューロンにはNR2B、GABA作動性抑制性介在ニューロンにはNR2Dという相補的な発現様式が存在することが明らかになった。これはバレル形成期である生後1週から成体まで一貫していた。特異的抗体を使った包埋後免疫電顕法でも、NR2Bは興奮性ニューロンのシナプスに多く発現し、NR2DはGABA作動性の抑制性ニューロンのシナプスに選択的に発現するという住み分けが一貫して存在することから、NR2BとNR2Dがバレル形成において逆の作用を担うという仮説を立てるに至った。これを検証するためにそれぞれのサブユニットの欠損幼若マウスのバレル皮質の解析を行った。なおNR2Bホモマウスは致死であるためヘテロマウスを使用した。バレルの出現はNR2B+/-マウスで一日遅れ、NR2D-/-マウスでは逆に一日早まっており、これはバレル皮質および全ての中継核で確認された。また臨界期終了時期も同様にNR2B+/-マウスで一日遅れ、NR2D-/-マウスでは逆に一日早まっていた。これらの結果から、NR2Bは主に興奮性細胞に発現し上行性の体性感覚処理に関わるシナプス強化を促進するという「アクセル」の働きを持ち、NR2Dは抑制性の介在ニューロンで限定的に発現して上行性の感覚処理を修飾することでバレル形成を遅らせるような「ブレーキ」として働いている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Autoantibodies to epilepsy-related LGI1 in limbic encephalitis neutralize LGI1-ADAM22 interaction and reduce synaptic AMPA receptors2013

    • 著者名/発表者名
      Ohkawa T, Fukata Y, Yamasaki M, Miyazaki T, Yokoi N, Takashima H, Watanabe M, Watanabe O, Fukata M
    • 雑誌名

      J. Neurosci.

      巻: 33(46) ページ: 18161-18174

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.3506-13.2013.

    • 査読あり
  • [学会発表] 海馬CA1領域におけるAMPA型グルタミン酸受容体の分配格差とその分子機構2014

    • 著者名/発表者名
      山崎美和子
    • 学会等名
      第119回 日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学(栃木県)
    • 年月日
      20140327-20140327
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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