研究課題/領域番号 |
24790195
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 重人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80432384)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 解剖学 / 発生学 / 先天異常学・奇形学 / 画像解剖学 |
研究概要 |
本研究の目的は、京都大学医学研究科附属先天異常標本解析センターに所蔵される貴重なヒト・妊娠初期胎児標本"Kyoto Collection”を対象とし、疫学情報の集約、三次元イメージング、胎児標本核酸の遺伝子解析を行うことにより、先天異常の発症原因を探り予防への手がかりを見つけることである。本研究の研究計画としては、主に3つの柱から成っており、それぞれ、「疫学データベースの構築」「高解像度高速杯撮像法の確立とその画像を用いた画像診断」「標本からの遺伝情報の抽出と解析」となっている。 *疫学データベースの構築:本胎児集団のデータは、紙ベースで記録されているため、デジタル化・データベース化を行うものである。胎児の外表の診断データおよび母体の服薬・疾患・喫煙飲酒歴などの詳細なデータについてデジタル化を行い、またオリジナルの紙情報についても、PDF化しデータベースから参照可能にする予定である。当該年度は汎用ソフトを利用したテンプレートが完成し、実際の入力を開始している。 *高解像度高速胚撮像法の確立とその画像を用いた画像診断:共同利用研究施設である高エネルギー加速器研究機構(つくば市)で開発中の位相X線顕微鏡を用い、ヒト胚子の撮像を行うもので、当該年度は高速・高解像度撮像システムの確立を行った。当該年度は、実験動物での試験撮像を行い、安定した画像を得た上で、ヒト胚子での撮像を開始している。 *標本からの遺伝情報の抽出と解析:疫学データベースの一部を用いて、対象となる古標本の選択を行っている。データベース化の進捗度と並行している。いくつかのサンプルを候補としている。また、試験試料を用いて実際の抽出プロトコールの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疫学データベースの構築については、予定通りに順調に推移している。 高解像度高速胚撮像法の確立とその画像を用いた画像診断については、実験動物で良好な画像得た上で、次年度予定のヒト胚での撮像を行っている点で、予定以上の成果と言える。 標本からの遺伝情報の抽出と解析については、データベースの進捗度に並行するという点で、順調に推移しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に使用するべき物品費・消耗品・旅費等については、必要な目的について全て使用することができたが、特に物品の購入先の選択や旅費の使用について慎重に遂行した結果、当該年度に10万円程度の残額が発生した。この残額も含めて、次年度の研究費の使用を計画する。 疫学データベースの構築については、引き続きデータ入力を行う。データ入力を推進するために、研究費の一部を謝金として使用し、データ入力補助者を利用することも計画している。 位相X線CTによるヒト胚子の撮像については、引き続きヒト胚子での撮像を続け、撮像したデータについてはすみやかに画像解析を行う。撮像に伴う旅費に研究費を使用する。 標本からの遺伝情報の抽出と解析については、古標本からの核酸抽出法の開発を急ぐこととする。消耗品に研究費を使用する。
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次年度の研究費の使用計画 |
備品となる物品の購入はなく、消耗品、高エネルギー加速器研究機構(つくば市)での実験および研究成果の発表などのための旅費、謝金、および印刷費に使用する。
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