研究課題
本研究の目的は、京都大学医学研究科附属先天異常標本解析センターに所蔵される貴重なヒト・妊娠初期胎児標本"Kyoto Collection”を対象とし、疫学情報の集約、三次元イメージング、胎児標本核酸の遺伝子解析を行うことにより、先天異常の発症原因を探り予防への手がかりを見つけることである。*疫学データベースの構築:汎用ソフトを利用した参照性の高いデータベーステンプレートを作成し、胎児の外表の診断データおよび母体の服薬・疾患・喫煙飲酒歴などの詳細なデータについてデジタル化を行い、またオリジナルの紙情報についても、PDF化しデータベースから参照可能となった。*高解像度高速胚撮像法の確立とその画像を用いた画像診断:共同利用研究施設である高エネルギー加速器研究機構(つくば市)に設置された位相X線顕微鏡を用い、ヒト胚子の撮像を行うもので、当該年度はヒト胚子での撮像を積極的に行った。画像解析において、顎顔面の発生、中枢神経発生、消化管の発生などに関していくつか興味深い所見がみられ、現在論文作成・投稿中である。また、平成25年度に引き続き、胎児期標本のMRI撮像を行った。3T臨床用MRIを用いて、保存液のPBS置換の条件および撮像パラメータの調整により、異方性の指標であるFA値平均として0.1→0.4へと改善を見た。これにより、固定胎児標本からのTractographyが行える可能性が高まった。また一方、世界最高級の解像度である0.2mm等方性ボクセルでの撮像に成功し、その画像から、胎児の四肢の筋肉の抽出が可能であった。*標本からの遺伝情報の抽出と解析:データベース化の進捗度と並行し、疫学データベースの一部を用いて、対象となる古標本の選択を行った。試験試料を用いて核酸抽出を行い、遺伝子解析の可能性のあるデータが得られたため、論文作成中である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (22件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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