下垂体前葉は成長、生殖、恒常性の維持に重要な6種類のホルモンを分泌する内分泌器官である。前葉にはホルモン産生細胞以外に、非ホルモン産生性の濾胞星状細胞が存在する。本研究は前葉内での濾胞星状細胞による新たな細胞機能調節を明らかにすることを目的とした。まず濾胞星状細胞で特異的に蛍光タンパク質を発現する遺伝子改変ラットを使い、蛍光タンパク質を指標に濾胞星状細胞のみを純化して、この細胞で特異的に発現している遺伝子を明らかにした。そしてその中から、組織学的手法を用いて濾胞星状細胞でのみ発現する新たな成長因子を同定することに成功した。これらの因子がホルモン分泌調節に関わっていると考えた。
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