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2013 年度 実施状況報告書

中枢性高血圧の発生メカニズムの解明:呼吸循環連関からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 24790206
研究機関筑波大学

研究代表者

小金澤 禎史  筑波大学, 医学医療系, 助教 (80431691)

キーワード循環調節 / 高血圧 / 交感神経 / 呼吸中枢
研究概要

心臓・血管運動を支配する交感神経活動の先天的な亢進は、恒常的な心機能亢進および抵抗血管収縮による神経性高血圧をもたらす可能性が示唆されているが、その脳内メカニズムの詳細はブラックボックスとして扱われている。そこで、本研究では、交感神経活動にみられる呼吸性リズムに着目し、呼吸中枢と循環中枢の間のニューロンネットワークを詳細に解析し、なぜ、交感神経活動の異常亢進による神経性高血圧がもたらされるのか?について、その本態を解明することを目的とした。本年度は、循環中枢および呼吸中枢の双方に影響を与える低酸素環境下における交感神経活動および横隔神経活動の変化をラットの人工脳脊髄液灌流標本を用いることで解析した。その結果、低酸素環境下の末梢化学受容器からの興奮性入力においては、ATPによるシグナル伝達が循環調節および呼吸調節の双方に影響を与えることが示唆された。一方、脳内の低酸素状態においては、循環調節中枢のみが積極的に低酸素を感受し、さらにこの循環中枢の低酸素感受性はATPによって抑制性に調節されていることが示唆された。以上の結果は、同一の神経伝達物質が関与する調節システムであっても、循環中枢と呼吸中枢が共有しているシステムと、一方のみに影響を与えるシステムが存在していることを示しており、循環中枢および呼吸中枢間のニューロンネットワークを解明するうえで、非常に重要な知見となるものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究成果と合わせて、本年度は循環中枢と呼吸中枢間のニューロンネットワークの実態に迫るための基礎データを着実に得ることができた。

今後の研究の推進方策

平成24年度および本年度の研究成果により、循環調節中枢ニューロンに対する呼吸性のシナプス入力を解明するための基礎的データが確立した。今後は、これを更に進め、正常ラットおよび高血圧モデルラットにおいて、呼吸中枢ニューロンから循環調節中枢ニューロンへの入力を電気生理学的および組織学的に解析し、両者の違いを比較・検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ラットの経血管灌流標本において内因性ATPはP2受容体を介してRVLMニューロンの低酸素に対する興奮性応答を減弱させる2014

    • 著者名/発表者名
      小金澤禎史、法木綾香
    • 学会等名
      第91回日本生理学会大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20140316-20140318

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公開日: 2015-05-28  

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