最近の薬物療法の発展にも関わらず、心不全の予後は依然悪く、新たな作用機序を持った治療薬の開発が必要である。最近我々は、心筋L型カルシウムチャネル(LTCC)の基礎活性がカゼインキナーゼ2(CK2)により制御されていることを見出した。そこで本研究は、その分子機構の詳細を検討した。その結果、心筋のLTCCの基礎活性を担うキナーゼの一つがα’2β2型CK2であることが分かった。心不全ではT管のLTCCの基礎活性が低下し心機能が低下している可能性が考えられるため、α’2β2型CK2を活性化するような方法は新たな心不全治療法になることが期待できる。
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