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2012 年度 実施状況報告書

アドレナリン分泌機序におけるTASKチャネルの機能と生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790228
研究機関産業医科大学

研究代表者

松岡 秀忠  産業医科大学, 医学部, 助教 (90374991)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードTASK1チャネル / エンドサイトーシス / Src / PKC
研究概要

本研究は、内分泌細胞のホルモン分泌機構におけるTASK1チャネルの機能および生理的意義の解明を最終目的としている。本年度までに、内分泌細胞におけるTASK1チャネルの機能調節にクラスリン依存性エンドサントーシスが関与することを明らかにした。また、その制御にPKCおよびSrc tyrosine kinaseの活性化、PI3K、PLCによる直接的あるいは間接的な制御が関与することが示唆された。
今年度は、さらにTASK1チャネルエンドサイトーシスの分子機構を詳細に解析した。PKCの関与について各種阻害剤を用いて解析した結果、PKCの3つのisoform(conventional, novel, atypical)のうち、conventional PKCがTASK1チャネルのエンドサイトーシスに関与することを明らかにした。さらに、Src tyrosine kinasesの関与についてProximity Ligation Assayを用いて解析した結果、Src tyrosine kinasesの活性化だけでなく直接的あるいは間接的な相互作用が、TASK1チャネルエンドサイトーシスに関与することを明らかにした。
また、遺伝子レベルでの制御についてQuantitative RT-PCR法を用いて解析した。その結果、長期間のNGF存在下では、TASK1チャネルmRNA量の減少が観察され、TASK1チャネルの機能調節に蛋白質レベルでの制御(recycling and/or degradation pathways)に加え、遺伝子レベルでの発現抑制も関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、引き続きTASK1チャネルの機能調節機構を詳細に解析した。TASK1チャネルの機能調節に、クラスリン依存性エンドサイトーシスが関与することを明らかにし、さらにその制御に関わる分子群を明らかにした。また、TASK1チャネルの機能調節に遺伝子レベルでの発現調節も関与することを明らかにした。それら結果は学術論文に投稿し、受理され、当年度の目的は達成された。次年度は、細胞レベルでのTASK1チャネルの機能調節機構に加え、TASKチャネルノックアウトマウスを用いた個体レベルでの機能解析へと移行でき、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

TASK1チャネルの機能調節機構の一端が分子レベルで明らかになりつつある。さらに、分子生物学的、生化学的、光学的手法を用いて、TASK1チャネルの機能調節機構の全容を明らかにする。個体レベルでのTASKチャネルの解析については、TASKチャネルノックアウトマウスの交配、維持は順調に進んでおり、またトレッドミル(ベルト式強制走行装置)の導入も完了した。それらマウスを用いた運動量、血中アドレナリン量、pH、K+濃度等の解析により、個体レベルでのTASK1チャネルの生理的意義の解明が計画通りに進展するものと期待できる。

次年度の研究費の使用計画

TASK1チャネルの機能調節機構の全容を明らかにするため、様々な手法を用いてさらに解析を進めていく。そのために遺伝子工学製品や細胞培養関連製品などの消耗品、顕微鏡やHPLCの設備備品費を必要とする。TASKチャネルKOマウスを用いた内分泌細胞の機能発現におけるTASK1チャネルの発現意義について電気生理学的手法やカルシウムイメージングを用いた解析を行う。そのために必要な消耗品、設備備品費を必要とする。さらに、ストレスおよび運動負荷に伴うアドレナリン分泌機序におけるTASK1チャネルの役割についてTASKチャネルKOマウスを用いた解析を行う。そのために血液生化学検査受託費等の消耗品やトレッドミル(ベルト式強制走行装置)などの負荷装置の設備備品費を必要とする。加えて、成果報告の論文投稿、KOマウス維持のための飼育費の経費を必要とする。また、今後さらに研究を発展させるために、他の研究機関との共同研究が必要になるものと考えられる。よって、研究成果の学会発表だけでなく他研究機関の研究者との交流のため、学会等へ積極的に参加するため旅費を必要とする。また、得られた研究結果によって、研究計画の変更や更なる新規展開が考えられる。その際生じるKOマウスの継続的な維持費や、各種解析に必要な消耗品、設備備品の購入は、繰越費請求や新規の科学研究費申請により行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Nerve growth factor-induced endocytosis of TWIK-related acid-sensitive K+ 1 channels in adrenal medullary cells and PC12 cells2013

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka H, Harada K, Nakamura J, Inoue M
    • 雑誌名

      Pflugers Arch-European Journal of Physiology

      巻: 465(7) ページ: 1051-1064

    • DOI

      10.1007/s00424-013-1222-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanisms and roles of muscarinic activation in guinea-pig adrenal medullary cells.2012

    • 著者名/発表者名
      Inoue M, Harada K, Matsuoka H, Nakamura J, Warashina A
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Cell Physiology.

      巻: 303(6) ページ: 635-644

    • DOI

      10. 1152/ ajpcell. 00147. 2012

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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