多くの細胞は、高浸透圧刺激により容積が縮小した後、元の大きさに戻るという調節性容積増加(RVI)能を示すことが知られている。一方、体液の浸透圧調節に重要な役割を担っているアルギニンバソプレシン(AVP)ニューロンは、容積調節能がなく、収縮したままであるというのが現在の教科書的学説である。しかし、今回、AVPニューロンも適切な条件下においては、他の細胞と同様にRVIを示す事、そして、高浸透圧条件下で活性化するカチオンチャネルが高浸透圧センサーとして働き、このRVIをむしろ抑制する役割を果たしていると共に、AVP分泌促進にも関与していることが示唆された。
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