高アンドロゲン投与による多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)モデルラットの脳内キスペプチンニューロンの発現と黄体形成ホルモン(LH)の血中の分泌状態について検討した。高アンドロゲンにより、卵胞発育に関わるキスペプチンの発現は低下しており、LHパルスも抑制されていた。排卵に関わるキスペプチンには異常がなかったものの、下垂体での性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する反応性が低下していたことから、排卵を誘起するLHサージが抑制されていることが明らかとなった。PCOSの特徴の一つである高アンドロゲン血症では、アンドロゲンが脳内のキスペプチンと下垂体に作用し、卵胞発育や排卵に影響を与える可能性が示唆された。
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