「ケトン体代謝により制御されるエピゲノム修飾」に着目し、各組織における組織特異的なケトン体代謝の流れによるエピゲノム修飾の変化と糖尿病の関連性を明らかにすることを目的とした。ケトン体代謝の流れの方向を定める2つの代謝酵素に着目しエピゲノム修飾への影響を検討結果、ケトン体が代謝される方向により、ヒストン3のメチル化修飾が制御されることがわかった。また、この代謝酵素の発現の変化は、膵β細胞のストレス抵抗性に関与することが明らかとなった。これらの検討結果から、ケトン体そのものに加え、「代謝の流れ<Metabolic flux>」がエピゲノム修飾や表現型の決定に関与することが明らかとなった。
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