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2012 年度 実施状況報告書

脂肪酸受容体GPR120の肺組織における生理機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24790249
研究機関京都大学

研究代表者

原 貴史  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90546722)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード薬理学研究
研究概要

本課題は、肺組織に発現する脂肪酸受容体GPR120の生理機能を明らかとすることを目的とした課題である。本年度は、in vitro及びin vivoの両面から肺における脂肪酸受容体GPR120のメカニズム解析を試みた。これまでに我々は、マウス肺の免疫染色結果から、クララ細胞のマーカータンパク質と、GPR120が共発現することを報告した。クララ細胞は、肺サーファクタントプロテインを分泌することから、GPR120とサーファクタント分泌に注目することとした。in vitroでの検討として、クララ細胞の細胞株を用いた検討を行い、GPR120が発現していることをmRNAレベルで確認し、内因性アゴニストである脂肪酸、及びこれまでに同定した合成GPR120アゴニストの刺激により、サーファクタントプロテインの一種において、mRNAレベルが変動することを確認した。また、in vivoでの検討として、マウス肺胞洗浄液からサーファクタントプロテインを検出することでGPR120の分泌への影響を検討する予定である。そこで、効率的にサーファクタントプロテインを検出するための実験条件の設定を行った。特に、複数の購入可能なサーファクタントプロテイン抗体からWestern blotで検出可能な抗体の選定を行い、喘息モデルマウスの肺胞洗浄液からも、サーファクタントプロテインを検出することに成功した。
脂肪酸受容体とサーファクタントとの関連はこれまでに報告がなく、またサーファクタントプロテインの新たな制御機構としても興味深い知見と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本課題は、脂肪酸受容体GPR120の肺における機能解析を目的としている。
in vitroの検討では、GPR120がサーファクタントプロテインの調節に関連すると仮説を立て、内在性及び特異的リガンドを用いた検討を行い、確かにサーファクタントプロテインの変動を確認することができた。これまでに、サーファクタントタンパク質の生成を調節するメカニズムは十分に解析されておらず、新しいメカニズムであることが示唆される。
in vivoの検討では、研究協力者による疾患モデル動物の作出も順調に行われている。サーファクタントプロテインのWestern blot法による検出に抗体の特異性などいくつかの問題点があったが、適切な条件の設定にも成功し、疾患モデルマウスからも検出ができるようになりつつある。
従って、in vitro及びin vivoの両面から予定通りに検討が進んでおり、当初の目的の達成度としては順調であると考えら得れる。

今後の研究の推進方策

in vitroでの検討においては、GPR120リガンドによる刺激とサーファクタント分泌までのシグナル伝達経路の詳細な解析を試みる。また、SP-A以外の他のサーファクタントプロテインについても変動する可能性があるかを詳細に検討する。
in vivoでの検討においては、in vitroの結果を受けて、複数のサーファクタントにおいて検討を行うと共に、喘息モデルでのGPR120の関与を、サーファクタントプロテインに加えて、炎症性サイトカインなどの炎症関連分子についても検討する。
また、論文化への準備と共に学会発表等を含めて成果発表を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

GPR120とサーファクタントプロテインの関係について、詳細なシグナル伝達経路を解析するために、引き続きsiRNA等を用いた細胞レベルでの遺伝子ノックダウン実験や、特異的化合物によるタンパク質の発現変動等の検出を予定しており、これに関連する分子生物学的試薬などの購入を予定している。また、動物モデルを用いた検討を行うために動物の維持管理や消耗品の購入などを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Free Fatty Acid Receptors and Their Role in Regulation of Energy Metabolism.2013

    • 著者名/発表者名
      Hara Takafumi, et al.
    • 雑誌名

      Reviews of Physiology, Biochemistry and Pharmacology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/112_2013_13

    • 査読あり
  • [学会発表] The study of the ligand-dependent signal transduction pathway and its molecular mechanism of GPR120.2012

    • 著者名/発表者名
      Hara Takafumi, et al.
    • 学会等名
      22nd IUBMB, 37th FEBS Congress.
    • 発表場所
      Seville, Spain.
    • 年月日
      20120904-20120909

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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