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2013 年度 実績報告書

慢性疼痛の治療標的としての脊髄アストロサイト‐gap junctionの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24790253
研究機関広島大学

研究代表者

森岡 徳光  広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (20346505)

キーワード脊髄アストロサイト / 神経因性疼痛 / TNF / IFN-γ / connexin43 / proteasome
研究概要

本研究は疼痛の慢性化におけるconnexin43(Cx43)-gap junctionの役割を明らかにすべく、培養脊髄アストロサイトならびに神経因性疼痛モデルマウスを用いて検討を行った。平成24年度においては、培養脊髄アストロサイトにおいて炎症性サイトカインであるTNF並びにIFN-γがCx43発現及びgap junction機能を低下させ、この反応にはJNK活性が関与していることを明らかとした。平成25年度においては、同様に培養脊髄アストロサイトを用いて、炎症性サイトカインによるCx43発現低下メカニズムの詳細な検討を行った。炎症性サイトカインによるCx43発現低下はCx43分解が促進している可能性が予想されたことから、タンパク合成阻害薬であるcycloheximide存在下にて、炎症性サイトカインを処置するとCx43発現量が著明に減少した。この結果は、炎症性サイトカインによるCx43発現低下作用には、タンパク合成抑制系ではなく分解促進系が関与していることが示唆された。そこで、これらの反応に対するproteasome系の関与を検討したところ、炎症性サイトカイン処置によりproteasome活性が上昇していた。さらに炎症性サイトカイン処置によるCx43発現低下作用は、proteasome阻害薬であるMG-132により有意に拮抗された。以上の知見は、脊髄アストロサイトにおいて炎症性サイトカインは、JNK-proteasome系を介してCx43発現を制御していることを示唆している。さらに神経因性疼痛モデルマウスの脊髄後角においてCx43発現が著明に低下していることが明らかとなり、この反応が疼痛惹起に寄与している可能性が予想される。一方、三環系抗うつ薬であるamitriptylineがアストロサイトにおけるCx43発現に影響を及ぼすことも明らかとした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Amitriptyline upregulates connexin43-gap junction in cultured rat cortical astrocytes via the activation of p38 and c-Fos/AP-1 signaling pathway2014

    • 著者名/発表者名
      Morioka N, Suekama K, Zhang F.F, Kajitani N, Hisaoka-Nakashima K, Takebayashi M, and Nakata Y
    • 雑誌名

      Br. J. Pharmacol

      巻: 171 ページ: 2854-2867

    • DOI

      10.1111/bph.12614

    • 査読あり
  • [学会発表] 脊髄アストロサイトにおけるTNF-α及びIFN-γによるCx43発現低下に対するプロテアソームの関与2014

    • 著者名/発表者名
      張 芳芳、森岡徳光、北村智哉、中島一恵、仲田義啓
    • 学会等名
      第87回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      20140319-20140321
  • [学会発表] Down-regulation of Cx43-gap junction expression in rat cultured spinal astrocytes by TNF-α and/or IFN-γ2013

    • 著者名/発表者名
      Zhang FF, Morioka N, Kitamura T, Hisaoka-Nakashima K, Nakata Y
    • 学会等名
      The 10th Biennial Conference of the Chinese Neuroscience Society
    • 発表場所
      Benjing, China
    • 年月日
      20130919-20130922
  • [学会発表] TNF-α及びIFN-γによる脊髄アストロサイトにおけるCx43-gap junctionの発現制御機構2013

    • 著者名/発表者名
      張 芳芳、森岡徳光、北村智哉、中村庸輝、中島一恵、仲田義啓
    • 学会等名
      第123回日本薬理学会近畿部会
    • 発表場所
      愛知県名古屋市
    • 年月日
      20130712-20130712
  • [備考] 広島大学大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門薬効解析科学

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/pha/

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公開日: 2015-05-28  

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