抗MRSA薬バンコマイシン(VCM)は、ブタ由来培養尿細管上皮細胞(LLC-PK1)に濃度および時間依存的なアポトーシスを引き起こし、その障害発現には、ミトコンドリア由来の活性酸素種(ROS)産生が関与することが明らかとなった。一方、VCMによってLLC-PK1細胞に引き起こされたミトコンドリア機能異常やアポトーシスは、脂溶性抗酸化薬ビタミンEならびにミトコンドリア標的抗酸化薬mitoTEMPOの処置によって有意に抑制された。加えて、VCMはJNKのリン酸化を亢進させ、VCMによる細胞障害に対してJNK阻害薬SP600125が有意な保護効果を示した。
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